西の水谷建設、東の山崎建設と業界では言われており、大型重機を持っている土木会社の最大手として、日本の経済成長を陰で支えてきました。一般に表に出てくるのは、建築専門の竹中工務店を除いた大手四社である鹿島建設、大成建設、大林組、清水建設と土木の名門である準大手クラスの飛島建設、前田建設、熊谷組、ハザマ、佐藤工業ぐらいまででしょう。それより下のクラスは、地場の会社で、全国展開をしていてもそれほど力を持っていないところが多いと思います。
この大手と準大手のゼネコンを実質的に支えているのが、水谷建設と山崎建設、それに続く、丸磯建設、宮本組、壺山建設でしょうか。ダムや原発、大規模な造成、高速道路では、これらの会社が重ダンプを駆使しして、土砂を運んでおり、一般の方々には目につかないところで私達の暮らしを支えています。民主党政権だった頃でしょうか、業界の雄である水谷建設と山崎建設が潰れてしまったことには驚きましたし、今でも信じることができません。名実ともに経済成長を支えてきて、身を粉にして仕事に取り組んでこられた方たちであったため、国の政策で会社が左前になってしまったのは、納得のいかないところがあります。
建設業界に携わっている方であれば、同じ思いを持っている方も多いと思います。実質的に潰れてしまいましたが、熊谷組も佐藤工業も、そして飛島建設も、名門中の名門でしたが、やはりバブルのときの過剰投資が大きかったのだと思いますが、建築部門の債務保証がそれに拍車をかけたのだと思います。業種は違いますが、エンジニアリング専業の千代田化工建設も三菱系ですが、実質的に一度潰れており、業界の浮沈の激しさを物語っています。建設業界も大規模なリストラがありましたが、エンジニアリング業界のリストラは、土木・建築業界とは違って、社員の半分ぐらいの首を切ってしまうほどの過酷なものです。もともと欧米のスタンダードに引っ張られて、給与のベースが相対的に高いこともあったのでしょうが、石油や天然ガスの需要が急減し、精製所が新規で作られなくなると、その固定費の大きさから人減らしが行われたと言われています。
水谷功氏は、国の発展の為の功労者であり、自らリスクを取って投資をしてきただけに、私は事業家としてその活躍の場が奪われてしまったのは残念としか言いようがありません。汚れ役を引き受けて政治家との癒着問題が言われていますが、日本の建設産業は自動車産業と並ぶ、我が国の基幹産業でもあり、これに電機(重電と弱電)を併せた3本柱で成り立っていると言っても過言ではありません。
今後、日本経済はジリ貧になっていきます。そこで活路となるのは、輸出であり、特に利益を生むのはインフラのパッケージ輸出と言っても過言ではありません。国が主体となって、これらの産業を育成し、計画を立案をしてきたのであればこんなことにはならなかったでしょう。
自動車、建設、電機の業界は、市場規模でみると概ね50兆円前後となる巨大産業であり、不動産や外食、スーパーなどの小売など、生活に必要な産業などを除外すると、その規模の大きさも、外貨を稼ぐという面からも基幹産業と言っても良いと思います。
自分のお金とリスクでビジネスをやるという点では、サラリーマン社長ではできないことがたくさんあります。世界最大の鉄鋼会社であるアルセロール・ミッタルなんかは、その典型ですけど、日本でも日本電産の永守重信氏がまさにそれなんですよね。私は、知る限り、永守重信氏を超える買収王の天才をしりませんし、資産が1000億を超えても仕事にかける情熱を失わない彼の姿勢は尊敬に値します。
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