非上場企業で売上金額が2兆円を越す巨大企業であり、経常利益も600億円を超え、従業員数も1万人を超える企業があり、驚きました。日本で非上場の大企業といえば、竹中工務店、サントリー、YKKなどがあります。その他にも有名な会社ですとリクルート、佐川急便、大創産業、JTB、ヤンマー、森ビルなどがあります。一方で海外に目を向けると穀物メジャーのカーギルやエンジニアリング会社のベクテル、家具のIKEAなどがあります。
このマルハンは、日本中に店舗があり、マルハンの店舗がない県は、徳島県、鳥取県、島根県、沖縄県だけだということです。ちなみに、マルハンはパチンコ・スロットのホール経営が主ですが、ゴルフ事業にも進出をしており、太平洋クラブなども経営しています。前にゴールドマンサックスが保有しており、今は村上ファンド(村上世彰氏は頭が良いので、表舞台に出てこず、レノと言う投資会社)が保有しているゴルフ界の風雲児のアコーディアあたりにも触手を伸ばしていたのかもしれません。なにせ、アコーディアは、保有ゴルフ場はむちゃくちゃ多いですし、金太郎飴方式でゴルフ場の運営を合理化してきたため、相当の筋肉質の会社だと私は認識しています。糸山英太郎あたりがでてくると、もっと面白かっただろうにw
あと思い出したのが、新今宮の駅のまん前(通天閣へ行く前)のジェットコースターがビルの中にあったフェスティバルゲートを買収して、「マルハン大阪韓流PROJECT」としてフェスティバルゲートの跡地にテーマパークを建設するようです。会社のHPを見てみると「マルハン松竹六区タワー」と銘打ち、浅草でも買収をしていたようです。すごい、キャッシュリッチな会社でアグレッシブにやっていうなと思いました。パチンコホール・スロットホールでは、寡占に近いような感じになってきて、おそらく頭打ち状態でしょうから、他の成長分野に目を向けているところだと思います。
さて、パチンコ業界と言えば、前にも市場規模のところで書きましたが、20兆円、30兆円産業といわれます。単純に20兆円とすれば、市場シェアは10%です。二番手にダイナムという会社があり、この会社は1兆円ですので大手二社で15%のシェアを持つことになります。基本的にどの業界でもチェーン店化の傾向はあり、外食、衣料、医薬品などの面でこの流れが顕著ですのでその流れに乗って、金太郎飴方式の商売で、スケールメリットを出しています。おそらく、寡占化の流れは止められないですし、止まらないでしょう。少子高齢化で日本の人口が減って、市場全体のパイは縮小しますが・・・・。
また、イオンやイトーヨーカ堂のようなGMS(総合スーパー)やCVS(コンビニ)で、郊外型のロードサイド型の立地や巨大な駐車場を持つところが大店法の改正後、特に2000年以降から顕著になりました。都心部などでも、工場の閉鎖後に大規模ショッピングモールが作られましたが、郊外型は主に車の利用を想定した大型道路に面したところが主となります。そのGMSなどの流れに合わせるように、パチンコ大手のマルハンも出店構成をかけて、ほぼ全国制覇をしたと言っても過言ではないでしょう。法律が変わり、社会環境が変わった時に、時流を読んで劇的に伸びる企業がでますが、21世紀になってからは加速度的にそれが進んだような気がし、様々な業界で寡占が進んだような気がします。銀行もメガバンク三行体制になりましたしね。
私は、パチンコを全くしないので、詳しいことはわかりませんが、マルハンという看板が余りにも街中で目に付き、駐車場が常に車で満車なので、何者だ?と思って調べたところ、パチンコ最大手だということがわかりました。韓 昌祐氏が創業者で、現在は韓 裕氏が社長で陣頭指揮をとっているようです。この社長の韓 裕氏という男が甲子園にもでたぐらいの体育会系の男で、阪神で当時の報徳学園の金村選手と戦ったと言う経歴がでてきて驚きました。
あとは、「業界を変える」と言うことで、徹底的に接客を変えたようですね。今は、大卒しか採用しないようですし、パンチパーマや刺青をしている店員もモチロンいないとのことです。そして、ホテルのような接客を目指し、気持ちよく遊んでもらえるということを目指し「マルハンイズム」と言うのを立ち上げ、サービス向上に努めたらしいです。昔、日本航空が保有していた伊豆の保養施設をマルハンビジネススクールとして、教育のためだけに使っているそうです。すげーな。やっぱり、教育がはじめにありきなんだな。この辺は、大企業が漏れなく、新卒社員を研修所に缶詰にして教育をするのがよーくわかります。内容は、野村證券高輪研修センターのようなスパルタ式なのかな??と研修内容を想像してしまいますが、伊豆からいくら近いとは言え、富士山地獄の研修とかはないいとは思います・・・・。
私が分析した内容ですと、黄金法則とか黄金律って言われるのは、共通点があります。これは、自己啓発で有名なナポレオンヒルの「思考は現実化する」やちょっと前にベストセラーになった「ザ・シークレット」、そして「マーフィーの法則」をまさに利用しているなと思いました。これは、軍隊や宗教の洗脳と同じで、関西系の優良企業で取り入れているところが多いですが、社歌を歌わせたり、社訓を毎朝唱えるっていうところでしょうか。私は、宗教なんか本当に習慣化を毎日の生活に組み込むって大切だなーと思います。聖地へ向かって毎日何回もお祈りをしたりするのって、潜在意識に刷り込むのに本当に大きな効果があるなーって最近思っているんですよ。だって、習慣化するんだもん。歯を磨いたり、トイレ行ったりするのと同じで、考えなくても体が動いちゃうと。毎日の通勤も乗換えとか意識しないのもソレ。氷山の一角に例えられますが、顕在意識はたったの10%で、残りの90%は潜在意識が支配しているっていうぐらいですから。そりゃ、嘘も100回言えば、真実になるって言われますわ。格言とか名文句とか本当に役立つこと多いですもん。
「ザ・シークレット」の冒頭のところじゃないですけど、歴史的な成功者は、これを知っていてやったんじゃないかと思えるほどですもんw おそらく、マッキンゼーとか、BCGなどのコンサル会社は、戦略コンサルって言われるぐらいですから、この辺の戦略とか戦術のバイブルのようなものがあって、それを各業種にカスタマイズして当てはめているんじゃないかなと思っています。だって、基本的な原理・原則って業種が違っても、会社が違っても、大企業でも中小企業でも、殆ど同じですからね。ですので、韓 裕氏が主導で文字通り、意識改革を進めて、会社を変えたと思っていますが、おそらく改革手法自体は、戦コンなどからのアドバイスがあったと思います。ちなみに、マルハンイズムと言うのが下にはりつけてあるんですが、これは相当よく考えられているなーと思いました。単純ですが、エッセンスが詰まっています。こんな簡単でいいのか?と思いますが、教義はシンプルなもんです。私も教祖になって教義をつくろうかと思うほどですもんw
さて、話は変わりますが、私はスシローが好きなんですよ。あの値段で、あそこまでコスパが良ければ、そりゃ好きになるでしょうw たった1000円でお腹一杯お鮨が食べられるんですよ。で、このスシローがなぜ気になっていたかと言うと、これもロードサイドで行列が常に目に入っていたからです。シンガポールやマレーシアでは、かっぱ寿司が流行っているのを目にしますが、やっぱり、日本じゃスシローです。これは、周りに聞いてもスシローだっていいますからw
この株式会社あきんどスシロー は、取締役COO兼専務執行役員として加藤 智治氏がいるのですが、彼は東京大学の大学院卒、そしてドイツ証券、マッキンゼー、そしてパチンコの台メーカーのフィールズを経てユニゾンキャピタル(ゴールドマンサックでパートナーを歴任の江原伸好の会社でワインのエノテカなどを買収)からスシローへ出向をしていたんですよね。そして、加藤 智治氏が社長の右腕として、理論で徹底的に補佐をして、二人三脚でいまのスシローを築き上げました。加藤氏は、このマルハンの韓 裕氏とも写真でツーショットがあったので、おそらくマルハンも加藤 智治氏のアドバイスを受けているんじゃなかろうかと思っています。
東京オリンピックも決まり、安陪首相が5月30日にシンガポールでカジノの視察をしましたが、残念ながらカジノ法案は今国会を通過しませんでした。ただ、後は法律だけの問題なので、一年以内にGOサインが出そうな気もします。そこで、ウィンやサンズ、ゲンティンなど海外のカジノ運営大手が、東京と言う大きな市場を狙って、また、都市国家シンガポールのカジノの成功事例を見て、犯罪率も増えずに成功を遂げた勝ちパターンを見て、昔からカジノを造りたかった東京都は鼻息を荒くしているでしょうw なにせ、IR(Integrated Resort:複合リゾート)として計画がなされており、カジノと何かとセットと言うことなんですよね。つまり、カジノは本来主役としてあるべきですが、コンベンションホールとかリゾート施設などが主としてあって、オマケとしてカジノがあるというか。これは、完全にシンガポール方式です。そして、そういう施設は、宿泊が必要なのでホテルもできると。国際見本市なんかがあれば、大量に宿泊施設が必要ですからね。そういうのをカジノ運営会社に作らせてしまうと。実際に、色んなところでノウハウの蓄積がありますからね、カジノ大手は。日系で経験があるといえば、アルゼとかゼネコンの鹿島建設でしょうか。どちらにせよ、関係する東京都みたいな自治体やゼネコン、デベロッパー、電鉄会社、パチンコホール、スロットホール、パチンコ台メーカーあたりが今後、要注目ですね。カジノと何がセットになって、どんな斬新なアイディアが出るのか楽しみです。オリンピックみたいなお祭りと理由がなければ、大胆なことはできないですからね。
あと、日本的な「おもてなし」でサービスの質や企業規模で言えば、カジノ運営のノウハウがマカオであるマルハンも候補として面白いと思います。満を持してといわんばかりに、突然、カジノ運営者として名前が出てくるかもしれません。ラスベガスやマレーシアのカジノ大手じゃなくて、いきなり日系の。やはり、心情的には外資にやってもらうより、国内資本にやってもらった方がいいですからね。マカオでオカマのノウハウも学んで来ましたとか言って、新宿二丁目のお台場バージョンで作って、国際的なハッテン場にして「Ni-chome」としてもいいですし。盛り場では「打って、飲んで、買う」がデフォですからね。個人的には、韓国でパチンコを廃止したように、日本でも廃止したほうが良いと思っていますが、パチンコファン・パチンコ中毒者が余りにも多いため、現状では難しいかなと。それに変わる娯楽なんてなかなかないですし。田舎ですと、唯一の娯楽って言う人もいますから。
韓 裕氏は、既にシュミレーションもしていると思いますし、案も持っていると思います。どのタイミングでそれがでてくるかですね。ひょっとしたら、加藤 智治氏が既に海外などでリサーチをしていて、いきなりマルハンの取締役として、名前がでてきたら面白いなーと思っています。
韓 裕氏と加藤 智治氏と三者対談なーんか誰か企画して声かけてくれないかな?加藤 智治氏には、スシローの舞台裏も聞いてみたいし。高額落札で有名なすしざんまいとマグロのセリで争ったとか「いやぁ築地に通って、吉野家の原点でよく、食べましたよ」とかあれば聞いてみたいなw
ちらっと書評なんかを見てみると、現場のカイゼン提案、あとは徹底的な掃除など、いわゆるトヨタ方式も導入しているようですね。言い方は悪いですけど、優良企業のノウハウって、愚直にその本質を実行すれば、即効果があるものが多いと思うんですよ。シンプルなだけに、みんな馬鹿にしていて実行をしない人が多いですが、効果絶大ですもん。やっぱり、カーネギーの思っていた事って、普遍の法則なんだなと思いました。成功哲学とか、自己啓発系って怪しいものも多いですけど、基本って、カーネギーなんだなーって思いましたよ。やっぱり、パターン化されるんだって、原点は。
●マルハンのHP
http://www.maruhan.co.jp/
●Wikiでのマルハン
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%8F%E3%83%B3
本社をみると京都の下加茂神社のすぐお隣の風水でむちゃくちゃ気の良い場所にあり、
東京の実際の本社も東京駅のまん前で香港の華僑のPCCW(不動産王リチャードリーの系列)
が以前所有していたビルに入居しているんですよ。ここも香港の会社が所有して
ペニンシュラホテルが隣接しているぐらいですから、かなり風水でもいい場所です。
知れば知るほどすごい会社だなw
【マルハンイズム】
●経営理念【マルハンの存在意義・最上位の価値観】
私たちは社業を通じ、人々に生きる喜びと安らぎの場を提供し、心身のリフレッシュと明日への仕事の糧となることを念願し、幸せで希望に満ちた明るく楽しい社会づくりに貢献します。
社訓【心構え】
「創意と工夫」「誠意と努力」「信用と奉仕」
企業姿勢【対社会:企業全体の取組姿勢】
企業責任と社会貢献
私たちは社会の持つさまざまな問題に真摯に取り組み、「良き企業市民」としての責務を果たします。
私たちは地域市民のコミュニティーセンターとして、地域社会との「共感・信頼」を実現します。
業界を変える
私たちは道を切り開くパイオニアとして常に新たなチャレンジを続け、業界のリーダーとして業界そのものを広く社会に認められる存在へと変えていきます。
提供価値【対顧客:お客様に提供したい価値】
私たちは「安心」により支えられた「刺激」と「やすらぎ」が生む「小さな感動」の積み重ねにより、マルハンが目指す「エンターテイメント」を実現していきます。
●組織理念【対組織:企業が組織としてありたい姿】
共感参画型組織 ~夢を語り、自ら参画せよ~
私たちは、まだ見ぬ夢やビジョンに共感して自らマルハンに参加し、熱い想いを持って、共に夢の実現に向かう組織であり続けます。
挑戦し続ける組織 ~失敗や変化を恐れず挑戦せよ~
私たちは、次のマルハンを切り拓くために、常に現状に満足せず、チャレンジによって進化する組織であり続けます。
チームマルハン ~IではなくWeで考えよ~
私たちは、お互いに喜びを分かち合い、助け合い、高め合えるような、強い絆で結ばれた自立した組織であり続けます。
行動指針【従業員一人一人の行動規範】
判断基準はお客様
私たちの使命は、「お客様の満足」創造にあります。意見が分かれた時、迷った時は使命に立ち返り「よりお客様が満足される方法は何か」を考えて判断を行います。
マルハンファンの創造
私たちは常にお客様の視点で発想し、お客様と共に喜び楽しむことを通じて、一人でも多くのマルハンファンを創造していきます。
ベストの追求 ~感動創造~
私たちはエンターテイメントを実現するために、求められる基準をクリアするだけでなく、常に期待を上回るベストを追求し、「感動」を創造していきます。
依存ではなく自立
私たちはできない理由を他者や環境に求めることなく、自分に矢印を向け、自らが考え、自らが行動する個人であり続けます。
1+1は3以上
私たちは常に相手を思いやり理解することで信頼関係を高めます。そして「自立した個人」が相互に協力することで、相乗効果を発揮する真のチームワークを実現します。
プラスのストローク
私たちはお互いの長所を認め合います。「もっと良くしたい」と一歩踏み出した勇気を称え、人の可能性を引き出す風土を創ります。
正しいことは正しい
私たちは、「正しいこと」を「正しい」と言える勇気を持ち続けます。「誰が言ったか」「誰がしたか」に影響されて、善悪を取り違える過ちを犯しません。またその勇気を受け入れる風土を創ります。