古くて新しいテーマである水争奪戦は、世界各地だけでなく、日本でも水利権を巡ってたびたび起こってきました。今では、きちんとルールができ、自力救済、いわゆる力づくでの強奪はできないので、表面的には紛争はありませんが、実際には、過去に決められた取水権などを巡って、表に出ないいざこざはかなりあるそうです。
今後、我々が直面する資源に対する問題と言うのは「食料・水・エネルギー」の三つに集約され、この三つさえクリアできれば、殆どの問題は解決できたと言われるほど大きな問題です。究極的には、「食っていけない」と言う言葉があるように、食料が人類の生存のために必要な物資となるのでしょうが、エネルギーさえ無尽蔵に得られるようになれば、食物工場や造水工場などを容易に運用することができるようになり、すべての問題を解決することができます。現代の様々な仕組みを分析していくと気づくことがあります。それは「最終的に誰が儲かるか?」と言ったことです。我々の日常生活の変化、食生活の変化を見てみると下記のことに気づきます。まるで芋ずる式に繋がっているようで、驚きます。世界規模で行われている多国籍企業のしたたかな世界戦略、見事に「金儲け」の一言に繋がっており、非常に納得です。
まるで、「ゆりかごから墓場まで」しっかりと骨の髄までしゃぶれるようなビジネスになっていることに気づきます。この中で誰が一番得をするのかと言うことを考えるといわゆる欧米の資源メジャーと言われるところがしっかりと絡んでおり、彼らがグローバル化という錦の御旗の下、自給自足をしていた人たち、更には先祖が営々と築き上げてきた生活様式を徐々に変え、自分たちのビジネスにしていったんだなということが良くわかります。
利権は、上流で首根っこからしっかりと押さえられ、世界のルールは自分たちが有利なようにいつでも変えることができるように、さらにパッケージで扱うことによって、個別でいくらすばらしい技術を日本企業が持っていたとしても、それを安く買い叩けると言うシステムを構築してしまいました。それよりもマクドナルドのハンバーガーひとつ作るのに1立米という一辺が1mの立方体の箱の容積とそれに対応する1トンの水が必要だと言うのも驚きですよね。ビックマックを350gとすると重量比換算では約3000分の1くらいのものですからね。三千倍の重量といわれるとこのビジネスがいかにスケールが大きいかと言うことがわかります。ヴァーチャルウオーターの概念を取り入れると、実は我が国は豊富な水資源国とは言え、水をかなり輸入をしていることになるんですよね。
多国籍企業が、徐々に各国の民族の文化をこわし、単一の文化に染めていく世界戦略、本当に怖いなと思いました。多様性が失われるということは、ある特定のリスクに弱くなると言うことであり、トラブルが起こったときの連鎖が気になります。世界規模で自らの基準に合わせさせビジネスを進めていくことで、TPPが仮に採決されるようであれば、日本にも当然甚大な影響があると思って間違いありません。
1)草食から肉食へ
(1)鳥は1KGを作るために4KGが必要
(2)豚は1KGを作るために7KGが必要
(3)牛は1KGを作るために11KGが必要
これは穀物会社や種苗会社の利益に繋がります。また、食生活の変化により、マクドナルドやKFCのような多国籍企業の活躍の余地がでてきます。
しかし、考えてみると牛肉を食べるためには重量換算で11倍の穀物が必要となります。しかも肉食によって、健康が損なわれることになります。
2)穀物生産のための水
1KGの牛肉を得るためには、穀物生産なども踏まえると20トンの水が必要だと言います。
3)移動手段としての車や電車、船
昔は、多くが生活共同体内で生活が完結していましたが、車などの輸送手段が発達することによって、行動範囲が飛躍的に広がり、交易も盛んになり、分業体制が生まれました。ただ、工業製品の製造のためには、鉄などの資源だけでなく水を大量に必要とします。それだけでなく、動かすための燃料として石油等が必要となります。
4)大量生産・大量消費
モノを直し続けて使うより、新しいモノを買ったほうが安い時代になり、使い捨ての時代になりました。石油などから化学繊維や合成樹脂がつくられ、既存の植物由来のものから、廉価で加工が容易な石油製品に置き換えられました。
5)医療ビジネス
予防のためのワクチンや検査・治療のための高度で高価な医療機器が必要になってきました。
最先端医療は、数千万円も治療費としてかかることがあり、天命として受け入れられていた難病などによる早死にが減りました。しかも、年を重ねるごとに治療費は高くなる傾向にあり、
若年層に比べて疾患の比率も極めて高くなります。
いままで、長い時間をかけてその土地にあった最適なものが残ってきたわけですが、ここまで短期間にそれらが破壊されるとなるとその歪みは極めて大きいものになるのではないかと思っています。皮肉なもので、問題を解決したと思っても次々に新たな問題が噴出し、まるで人類の英知をあざ笑っているかのような地球です。今後、どうなるのか、思いを巡らせてみたいと思います。
●World water wars
http://worldwaterwars.com/
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